就労ビザと特定技能
一定の学術的素養が必要な業務に関しては技術・人文知識・国際業務の就労ビザの対象となっていますが、学術的素養未満の専門知識は就労ビザの対象外ですが、その専門性から適格な人材の確保が困難な就労に関しては特定技能のビザで就労する事が可能になりました。
特定技能と農業
特定技能のビザは所謂「就労ビザ」とは異なった概念です。
農業分野は法務省令で特定産業分野と定められているため、一部の業務内容で一定の要件を満たしたものに関して特定技能のビザでの就労が可能です。
特定技能と農業の業務
農業で特定技能の対象となっているものは以下のとおりです。
① 耕種農業全般
・栽培管理
・農産物の集出荷・選別等
② 畜産農業全般
・飼養管理
・畜産物の集出荷・選別等
特定技能と農業の関連業務
農業での関連業務は専ら従事する事は認められませんが、附属的に従事する事はできます。
想定されている関連業務は以下の通りです。
① 就労先の事業者がが生産した農畜産物を原料や材料の一部として使用する製造・加工の作業
② 就労先の事業者による農畜産物の生産に伴う副産物（稲わら、家畜排泄物等）を原料、材料の一部として使用する製造・加工の作業
③ 農畜産物（就労先の事業者が生産した農畜産物が含まれる場合に限る）の運搬、陳列、販売作業
④ 農畜産物を原料、材料として製造され又は加工された物（就労先の事業者が生産した農畜産物を原料、材料の一部として使用・製造され、又は加工された物が含まれる場合に限る）の運搬、陳列、販売の作業
⑤ 農畜産物の生産に伴う副産物を原料、材料として製造・加工された物（就労先による農畜産物の生産に伴う副産物を原料、材料の一部として使用・製造・加工された物（たい肥等の肥料、飼料等）が含まれる場合に限る）の運搬、陳列、販売の作業
⑥ 就労先で耕種農業や畜産農業の業務に従事する日本人が通常従事している作業（畜産農業と耕種農業を複合経営している就労先において特定技能外国人が耕種農業の作業に従事する場合、冬場の除雪作業に従事する場合等）
特定技能外国人の要件
① 18歳以上である
② 健康状態が良好である
③ 特定技能1号外国人は以下の要件を満たす必要があります。
・農業技能測定試験合格
・国際交流基金日本語基礎テスト or 日本語能力試験（Ｎ４以上）
※ 技能実習2号修了者等の場合、従事する業務区分と合致する職種・作業である場合、試験は免除となります。
修了時の技能検定に合格していない場合は技能実習生に関する評価調書（参考様式）が必要です
なお、留学ビザ等から特定技能への変更の場合は社会保険や納税義務を履行している必要があります。
特定技能所属機関の要件
特定技能外国人を雇用する機関は以下の要件を満たす必要があります。
・特定技能雇用契約が労働関係法規に適合である等適切であり、日本人と同等の報酬である
・5年以内に出入国・労働関係法規に違反がない
・外国人の理解可能な言語で支援（登録支援機関に委託可）
・農業特定技能協議会の構成員である
・直接雇用の場合、５年以内に労働者（技能実習生を含む。）を６か月以上継続して雇用した経験がある
又は都道府県労働局が実施する派遣先向けの講習等を受講した者を派遣先責任者として選任している
・過重な長時間労働とならないよう、適切に労働時間を管理し、適切に休憩及び休日を設定
特定技能所属機関への派遣の場合
特定技能外国人を特定技能所属機関へ派遣する場合は以下のいずれかに該当し、法務大臣が農林水産大臣と協議の上、適当であると認められる者に限定されます。
① 農業or農業に関連する業務を行っている者
（農業等経営体、農業協同組合、農業協同組合連合会等）
② 地方公共団体or ①に掲げる者が資本金の過半数を出資
（地方公共団体又は上記①の者が資本金の過半数を出資）
③ 地方公共団体の職員or ①に掲げる者orその役員or職員が役員であること、その他地方公共団体or ①に掲げる者が業務執行に実質的に関与していると認められる
（指導や助言等を行う等関与する場合）
④ 国家戦略特別区域法第１６条の５第1 項に規定する特定機関
特定技能ビザの申請が不許可になった方へのサポート
一度ご自分で申請して不許可になった方が相談に来られた場合、不許可理由や原因を究明しそれを修正・補強した上で再度申請を行います。
許可理由は申請者ごとに違ったり、不許可理由が複数考えられる場合もあります。申請が不許可になった場合でもあきらめずに相談下さい。