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 留学生と経費支弁者

2020年10月19日のM新聞のネットの記事に留学生の窮状を書いたものがありました。
内容の前半は神戸市在住のベトナム人留学生の記事だったので身近に感じたと同時に論調に違和感を感じました。
記事によると4月から経理の専門学校に入学予定だった神戸市在住の日本語学校の留学用が資格外活動許可の制限である週28時間を超えたアルバイトをしていた事で留学ビザ(留学の在留資格)の更新が不許可になったとありました。オーバーワークの理由を学費や生活費を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちして月に約15万円を稼いでいたそうです。支援団体であるNPOの理事長も記事の中でベトナムは貧しく奨学金や仕送りのない留学生も多く、日本でアルバイトをして生活費・学費を稼ぐ必要性がある現状を説明していました。
大変な環境にあるのは理解出来ますが、しかし、留学ビザ(留学の在留資格)で来日する際に、様々な審査があり、その中に【経費支弁能力】の審査があります。留学の際の生活費や学費等の経費を誰がどの程度支弁し、その支弁能力があるのか?という審査です。社会人を経験し、大学や大学院に留学する場合には貯金や奨学金等を使い、自身が経費支弁者となるケースはありますが、日本語学校の場合には多くの場合、親が経費支弁者となります。
経費支弁者の経費支弁能力は経費支弁者の在職証明や保有財産の証明、納税証明書等、複数の書類をもって証明する必要があり、年々その審査も厳しくなっております。近年では経費支弁者への電話での聴き取りも行い、回答に少しでも齟齬があれば不許可となるケースも増えています。
この厳しい審査をクリアして留学ビザ(留学の在留資格)の許可が下りても、この記事のように経費支弁者が機能していないとなると根底を覆す大問題です。
おそらく母国の送出し機関の指示があったのだと思いますが、許可をもらうために実態のない書類を提出する事は虚偽申請となります。このような申請が続くと、その送出し機関や学校側からの申請の不許可率は高くなります。
日本と母国間の経済格差があり、留学費用の全ての捻出が厳しい事実も理解できます。そのために資格外活動許可があり、生活費程度は自身で稼ぐことのできる制度となっています。
ビザの更新・変更の要件として在留状況が良好であることが求められます。留学生であれば、しっかりと出席し、成績が良好であり、法令を遵守している事が求められます。オーバーワークは週28時間制限のある資格外活動許可を定めた入管難民法に反する行為です。更新の不許可理由は「在留状況が良くない」となりますが、この記事のように自身で経費支弁するためにオーバーワークした場合、潜在的に虚偽申請の疑義も生じます。そうなると、今後、就労目的で再来日しようと手続きをしても虚偽申請を理由に厳しい審査となる可能性もあります。
このような問題を「外国人苦学生」としてしまうと根本が見えなくなってしまうのではないかと思います。


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