入国管理局への届出
ビザ関連のニュースではないですが、最近気になった事です。
2012年に入管法が改正され新しい在留管理制度がスタートしました。
外国人登録を廃止と在留カードの創設をはじめ、新たな届出義務や緩和措置等の変化がありました。
相談を受けていると外国人のほとんどが届出義務の存在を知らないように感じました。
外国人の届出義務は
@ 氏名、生年月日、性別、国籍・地域に変更があった場合
A
就労ビザ(就労の在留資格)で在留する外国人の所属機関(雇用先や教育機関)の名称変更、所在地変更、消滅、
契約終了、移籍が生じた場合
B
家族滞在ビザ、配偶者ビザ(日本人・永住者の配偶者等の在留資格)で在留する方が、配偶者と離婚又は死別し
た場合
となっています。上記の事由が発生した場合には14日以内に入管へ届出をする義務があります。
特に就労ビザ(就労の在留資格)で在留する外国人が仕事を辞めて再就職先を探している又は起業を考えているといった状態で相談に来る事がよくありますが、「仕事を辞めた事を入管に届出しましたか?」と聞くと「届出はしていない。知らなかった。」と言われます。
この場合、当事務所では14日を超えている場合であっても入管への届出をお勧めしています。というのは、雇用保険のこともありますが、雇用対策法28条により外国人を雇用した場合や外国人が退職した場合にはハローワークに届け出る必要があります。また、雇用対策法29条には上記の外国人雇用状況の届出についての情報を入管に提供する旨の規定があります。
また、外国人雇用状況の届出義務がない事業者についても外国人を雇用した場合や外国人が退職した場合には入管への届け出る必要があります。つまり入管は外国人からの届出がなくても就労ビザ(就労の在留資格)で在留する外国人の動向を管理できる体制だということです。
先日の相談者で離職から1か月半を過ぎている方がいました。今後のビザの相談でしたが退職したことを入管に届出していなかったので、届出をするように伝えました。その相談者は某国のコミュニティーの仲間から紹介された行政書士に相談し、他の行政書士の意見も聞きたいと考え当事務所に相談に来られました。
その先生からは「退職から3か月以内にビザの手続きをしないと現在のビザが取消されるかもしれない。届出をすれば、3か月の起算が始まるから、次にビザの手続きをする際に14日以内に届出をすればいい。」と言われたとのことでした。
あまり否定すると必死で知り合いの先生から仕事を取りに行っていると思われそうなので、届出をお勧めするにとどまりました。
確かに届出をすれば、3か月の起算が始まります。14日以内に届出したことにすれば義務を果たしたことになります。しかし、入国管理局が上記の外国人雇用状況届出の情報提供をハローワークから受ける事で虚偽であることが発覚します。
虚偽が発覚すると今後のビザ申請の信憑性が失われてしまいます。ビザの取消を防ぐつもりがビザの変更や更新が許可されない状況を作ってしまっては本末転倒です。
入国管理局への手続きは(その他の手続きも同様)事実を正直に伝えるのが基本です。
下手な小細工は必ず発覚して自身の立場を悪くしてしまいます。
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